食あたりと食中毒の違いって何?その種類と潜伏期間を見てみる
2016/07/15
テレビのCMや広告でよく見る言葉の「食あたり」
食あたりには○○!
もしもの時には、これで安心!
私たちにとっては、ありふれていてサラッと聞き流していますよね。
けど、よくよく見てみるとお腹が痛くなったり下痢や嘔吐といった症状が起こることを「食あたり」と呼んでいます。
(そういえば食中毒とは違うのかな?症状は同じみたいだけど...)
今回は、気になる「食あたり」と「食中毒」の違いから種類や潜伏期間までをまとめました。
食あたりと食中毒の違いって?
食あたりは医学用語にはなく、民間で広まった言葉で医学的には「食中毒」が正しい用語です。
食中毒の「中」とは「あたる」の意味で食中毒=食べ物の毒にあたること
つまり、どちらの言葉も同じ状態を表しています。
ここでは、分かりやすいように食あたりと表記していきます。
食あたり(食中毒)とは、有毒な微生物や化学物質を含む飲食物を食べた結果起こる下痢や嘔吐、発熱などの健康障害を指し基本的には、3つの原因によって起こります。
①食品中の細菌など
②化学物質
③自然毒
このくらいの季節から夏場では、①の原因によって起こる食あたりが発生件数全体の7割を占めています。
食あたり(食中毒)の種類
一般に食あたりの原因となる細菌などは高温多湿を好むため夏場に多く起こります。
その食あたりの主な原因菌の種類をご紹介します。
感染型
・カンピロバクター
食肉(特に鶏)、不十分な殺菌による飲料水、サラダ等
・腸炎ビブリオ
魚介類、刺身、寿司類
・サルモネラ
肉類やレバ刺し、卵
生体内毒素型
・腸管出血性大腸菌(O-157など)
糞便に汚染された食肉からの二次汚染による、あらゆる食品
・セレウス菌
チャーハン、オムライス、スパゲッティなど米や小麦を原料とする食品が多い
・ウェルシュ菌
肉類、魚介類、野菜および使用したこれらの煮物(カレー・シチュー)
食品内毒素型
・ポツリヌス菌
酸素のない状態の食品のかん詰め、ビン詰、自家製の保存食品
・ブドウ球菌
にぎりめし、弁当など穀類及びその加工品が多い
ウイルス性
・ノロウイルス
ノロウイルスに汚染された食品、二枚貝
真菌
・カビ菌
衛生管理不足による発生、あらゆる食品
こうやって見てみると、一言に食あたりといっても様々なものが原因になって起こることが分かりますね。
食あたり(食中毒)の潜伏期間
食品を食べて食あたりの症状が出るまでの潜伏期間は原因となる細菌や、どのくらいの量を食べたかによって異なりますが、すでに食品内で細菌によってつくられている毒素が原因となる食品内毒素型は潜伏期間が短い傾向にあります。
感染型
カンピロバクター[潜伏期間]1~7日
初期症状として腹痛や不快感がおこり、嘔吐、腹痛、下痢を起こす。
腸炎ビブリオ[潜伏期間]10~20時間
おもな症状は吐き気、嘔吐、下痢、粘血便、発熱、腹痛。しびれやチアノーゼ(唇が紫色になる)などが出ることも。
サルモネラ[潜伏期間]6~48時間
嘔吐、腹痛、38度前後の発熱、下痢などが急激に起こる。下痢便は水に近く、粘血便が出ることもある。
生体内毒素型
腸管出血性大腸菌(O-157など)[潜伏期間]3~9日
嘔吐、出血をともなう下痢、腹痛が起こる。38度以上の高熱はまれだが、子どもやお年寄りは合併症を起こしやすい。
セレウス菌[潜伏期間]30分~16時間
嘔吐、水様性の下痢、腹痛、腹部のけいれんなどが起こる。
ウェルシュ菌[潜伏期間]6~15時間
腹部が張った感じになり、腹痛や下痢が起こる。下痢は1日に数回程度、2~3日で回復することが多い。
食品内毒素型
ポツリヌス菌[潜伏期間]6~15時間
ものが二重に見える、弱視、言葉がしゃべりづらくなる、耳鳴り、呼吸困難、唾液や汗の分泌障害などが起こる。
ブドウ球菌[潜伏期間]2~4時間
吐き気や激しい嘔吐、下痢がおもな症状で下痢便は水様性だが重症化すると粘血便に。多くは1~2日で回復。
ウイルス性
ノロウイルス[潜伏期間]24~48時間
吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱は軽度だが糞便や吐しゃ物から人の手などを介して二次感染する。
真菌
カビ菌[潜伏期間]2~16時間
吐き気や嘔吐、腹痛、下痢がおもな症状。
原因物質によっては嘔吐物や汚物等を介して二次感染が拡大し、大きな被害をもたらす場合もあるので、その対策が重要になりますね。
食あたりと食中毒のまとめ
●食あたりと食中毒は、どちらの言葉も同じ意味だが医学的に食中毒が正しい
●夏場に起こりやすい食あたり(食中毒)の種類は、原因菌によって様々ある
●食あたり(食中毒)の潜伏期間は、原因菌によって30分~9日と結構差がある
もしも、食あたりになってしまった時に知識を持っていると慌てずに対応できますので、覚えておくのがいいですよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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